2010年8月3日火曜日

自然農のあり方

自然農の畑の開墾から作物の栽培を始めて、2年目に入りました。 
2年目の自然の種から育つ作物の元気な姿を見て勇気をもらっています。 

自然農は、福岡正信さんの提唱に始まり、 
赤目塾を主催されている川口由一さんに継承されています。 
農薬や肥料を必要としない、野性の植物栽培法です。 
自然の摂理に従い、人間の勝手を許さない厳しさがあります。 
現状では、この農法を全ての人にお勧めすることは出来ません。 

第一に、自然農を始めると、生産量が落ちます。 
種の種類によっては生育しないものもあります。 
従って、農業を生活の糧にしている方に自然農を 
いきなり勧めてもムリがあります。 

戦後復興の時代に始まった農薬・化学肥料農業。 
人口増大、工業立国を目指す中で、 
生産量を上げる農法として、一時は必要なものだったでしょう。 

ところが、現状を見れば、種は一代交配種に取って代わられ、 
農薬、化学肥料がなければ育たない作物ばかり。 
収穫して暫くすると溶け出す野菜・・・、そのまま放っておけば腐ります。 
ほとんどの人がこのような野菜を食しているのです。 
有機野菜と云っていも同じような状況です。 
現状では如何ともしがたいですね。 
土地は農薬と化学肥料で痩せ、 
作物に栄養とエネルギーを供給する役割 
の土中微生物は死滅するばかりです。 
益々、化学肥料なしでは、 
野菜は育たない状況を生んでいます。 
これをもって、自立した農業とは言えません。 

将来を見据えて、自立した農業を目指すには、 
農薬・化学肥料から脱却した無肥料・無農薬農業に 
転換する必要があります。 
それを目指すのが、自然農です。 

お百姓さん、一人だけでは、この転換はできません。 
食べる人が農業に参画しなければなりません。 
自然農に切り替えるときに生じる生産減の苦しみを共有し、 
土地が生き返るまでの間、共に耐える必要があります。 

そして、土地が生き返り、自然の環境で育った種を採取し、 
その子孫から生れた野菜を継承する。 
そうすることによって、初めて、生産量も味も栄養価も全てにおいて 
現行の化学農業に劣る事のない自然農に生まれ変わります。 

そんな活動をこれから展開しなければ、日本の農業に未来は見えません。 
一人でもいいから、多くの人に現状の農業の問題点に気づいて欲しい。 


農業は他人事ではありません。 
世界中が化学農法に侵されているのです。 
『自ら食する食べ物は、自ら育てる』をモットーに 
食物の自給が出来なければ、自立した生活は得られないのです。
日本立国の根幹に関ることだと認識して欲しい。
 
ゴンジ

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