みなさんこんにちは!若干ですが、ようやく涼しくなってきましたね。当農園では一ヶ月近く雨が降らなかったのが、先日の台風や夕立で久々に恵みをいただきました。もちろん、それだけの雨量では足りないのですが、秋、冬野菜の種が蒔き易くなりました。毎月訪れているここ赤目でも雨があまり降らないと先月聞いて以来、お借りしている畑が気になってましたが、先日よく降った模様。月一でしか来れないため、今回はどんな種を降ろすか考えつつ、またまたやって参りました。 今回の共同作業は、以前から問題となっているシカ、イノシシ、サルなどの獣害対策として、敷地をトタンの壁で囲っているのですが、最近それが壊されて、敷地内をひどく荒らした模様。そのトタン壁の修復、補強が行われました。この塾の敷地はかなり広く、全長は約3キロ程ある為、いくつかの班に分かれてチェックして行きます。
黄金色に輝く稲穂! 今年は例年に比べて豊作と言われてますが、その通りでした。 この日は各地でコンバインで収穫作業が行われていました。 |
これがトタンの壁。ちなみにこれは修復後です。 この壁のお陰でイノシシの侵入を防いでいたのが、 杭やトタンが腐食しだして、弱くなり、侵入を許してしまった模様。 畑はおろか、田んぼの稲(特に黒米)も食害しておりました。 |
修復は午前中で終了。午後からは椎茸を栽培している場所で薪用に枝を切る作業。こちらも程なく終わり、早速自分の畑に向かいました。ここでショッキングな事実に直面します。
なんとこれはイノシシに掘られた後。 この畝は大根とエゴマを蒔いてましたが、 エゴマ側を半分えぐるように穴が掘られてました。 しかしよく見るとゴマは無事だったところも発芽しておらず、 横の大根はなんとか無事だったので安心しました。 |
これが大根。蒔き時にはだいぶ早かったのが、食われず育ってました。 実はまだつけておらず、条蒔きにしてはいい間隔で発芽していたので、 間引く必要もない感じでした。 |
一番端の畝に蒔いた人参。3〜4カ所発芽してました。 人参はもっと発芽しても良さげでしたが…。 ちなみに種は先月採取したばかりのもの。 |
隣の畝のフキの横に出来てるこれは?と思い、 葉をちぎってみたところ、なんとニラ! 先月ここもきれいに草を刈ってましたが、ひと月でこんなに立派になっていました。 よく見たらお隣の他の塾生の畑には沢山成っており、 そこから流れて来たものかと。食べるとやっぱり甘いです! |
大豆は健やかに育っていました。 種は関東の在来種でしたが、問題なく育ってます。 ただ、さやの中はまだ豆が出来ておらず。来月に期待したいと思います。 |
本日は割と畑の面倒を見る時間があったので、種蒔きに備えて草を刈りました。ここの草を刈るといつもショウガやミョウガのにおいが漂ってきます。ミョウガは確かに近くにあるんですが、ショウガは見つけられませんでした。また、今回ペーハー計測器を持って来たので、試しに土の酸度を測ってみました。人参や大根が発芽している畝は意外と酸度が高いことが判明。完全な酸性でした。大丈夫かなと思いつつ、お隣がトマトや胡瓜、茄子などが良く育っているので、ちょっと測らしてもらうことに。するとそんなに違いはありませんでした。あまり適していない酸度でこんなに作物が育つのは、土壌の栄養度が高いということでしょうか。安心と不安が交差しつつも、取り敢えず作業を終えて山荘に向かいました。 本日の夕食は茄子やかぼちゃなどの煮物、炒め物の野菜中心のメニュー。味付けが絶妙で大変美味しく頂きました。また、台所の流しには黄色い冬瓜のようなものがゴロゴロと水で冷やされてました。今ではなかなか見かけられなくなったマクワウリです。こちらは翌朝のデザートに頂きました!恒例の夜の学びでは教育や政治の本質、真のあり方について、スタッフの方々の、塾においての自身の役割での経験談を基に、お話を頂きました。人の真のあり方はどういうことなのかを学ばせていただきました。 明けて翌日もいい天気で、秋晴れというより夏でした。本日の田んぼでの作業は先月の除草が最後で、現在は開花し交配していく時期なので特にはありませんでした。むしろこの時期に田んぼに侵入すると交配が妨げられ、結実出来なくなるとのこと。出穂は着々と進んでおりました。あとは品種によって、田んぼの水の具合を9月いっぱい〜10月上旬まで調整します。
出穂してきた稲。穂の重さで垂れ下がっているのもいくつか見受けられます。 既に黄金色で立派に育っていました。稲刈りの時期が楽しみです。 |
変わって畑に移動。オクラが元気に育っております。 いくつか実が茶色がかっていて、種取り用としてはあともう少しといった感じ。 |
こちらはニガウリの種取り。 実が裂けて中から赤い種が出てきますが、これは綿状組織に種が覆われているため、 水の中で洗って赤い部分を取り除き、その後よく乾燥させます。 |
これは牛蒡の種。この一つの花から沢山の種が採取できます。 これもゴミ等をきれいに取り除き、良く乾燥させます。 またこの玉がイガオナモミの実のように、服にくっつきます。(同じキク科なので納得) |
ゴマの収穫です。上部の開花中の葉を切り落として、1〜2週間程充分に乾燥させます。 今更ながら、ゴマって種を食べるんですね。 |
こちらは玉葱の苗床作り。これは既に平鍬で整地した後。 この後種を蒔いて、草の種を含まない土を薄く被せて、草をのせて乾燥を防ぎます。 |
人参の条蒔き。この時期に蒔くのは秋蒔きになり、8月下旬から9月の中旬までです。 こちらもいつも通りの手順で手際よく種降ろしをしていきます。 |
こちらは今回学習用に購入したキャベツ、ブロッコリーの苗。 購入して来ただけに、ポットの中に怪しい肥料らしきものが載っているので、 きれいに取り除いてから植え付けてました。 ここでは先に穴を掘り、水を入れてから土ごと苗を入れます。 |
菊菜の条蒔き。こちらもいつも通りでしたが、蒔き終わった後、 玉状になった土を指で砕いて細かくしてまぶし、 手で押さえるという覆土方法をとられていました。いい方法です。 最後は保水のため、平鍬で鎮圧します。 |
こちらは白菜の種降ろし。点蒔きで、一カ所に5粒程蒔きます。 種同士は生育状態も考慮して少し離し気味で、最後には1株にします。 |
いやはや随分と沢山の種を蒔きました。意外と葉菜類が少なく感じましたが、適期に適種を蒔く、自然の理にかなった種降ろしだったと思います。今回、川口さんにいくつか質問させていただいたところ、ウリ科にまとわりつくウリバエの対処法で面白かったのが、「あんどん」という方法で、これは正にあの行灯と同じように新聞紙で作り、その中にウリ科の苗等を入れておくと、ウリバエは垂直に降下出来ない習性を持っているため、意外と食害されないとのこと。次回は試してみたいです。 また、当農園の土に関して質問してみたところ、やはり栄養度、土の力がまだ弱いとのこと。有機質の油かすを蒔いてみるのも一つの方法だと教えていただき、早速試しているところです。しかし、何年も自然農を営んできた土はさすが本物です。 お借りしている畑でも持参した種を蒔きました。キャベツは渡辺成功、みやまこかぶに自家採取の小松菜。やってみたかった不断草や菊菜も蒔きたかったのですが、スペースが無くなってしまい、あきらめました。最後にお楽しみのミョウガを見てみると、やはりいくつか芽が出ていました。花が咲こうとしているところだったのでギリギリですね。せっかく蒔いた種がまたイノシシに襲われないよう祈りつつ、塾を後にしました。 タカシ